法定後見と任意後見
成年後見制度には、判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」と、判断能力が十分なうちにご自身で後見人となる方をあらかじめ決めておく「任意後見」の2種類があります。任意後見は、ご自身の希望する人に将来を託せる点が大きなメリットです。
制度の利用が向いているケース
- 認知症の親の預貯金の管理や施設入所の契約が必要になった
- 判断能力の低下により不動産の売却や遺産分割協議ができない
- 将来に備えて、信頼できる人に財産管理を任せておきたい
手続きの流れ(法定後見の場合)
- 医師の診断書等をもとに、家庭裁判所へ後見開始の申立て
- 家庭裁判所による審理(必要に応じて鑑定)
- 後見人(司法書士等の専門職が選ばれる場合もあります)の選任
- 後見人による財産管理・身上保護の開始
成年後見制度は一度開始すると原則として取りやめることができません。家族信託など他の選択肢とあわせて、ご状況に合った方法をご提案いたします。
今後の制度変更の予定(2026年の法改正)
2026年6月17日に成立した「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)により、現在の後見・保佐・補助のうち、後見と保佐の制度が廃止され、本人にとって必要な範囲で利用できる「補助」の制度に一元化される予定です(法務省民事局で確認)。施行は公布から2年6か月以内に政令で定める日とされており、2026年10月時点ではまだ施行されていません。施行時期が決まりましたら、当事務所でも改めてご案内します。
成年後見制度についてよくある質問
国分寺市でのご相談でも、後見人には家族がなれるのかというご質問をいただきます。
- Q. 成年後見人には家族がなれますか?
- 申立書に候補者として家族・親族を記載することはできますが、家庭裁判所の審理の結果、その候補者が適切でないと判断されれば選任されない場合があります。財産の額や後見人同士の意見対立などの事情により、弁護士や司法書士などの専門職が選ばれることもあります(裁判所公式サイト「家事事件Q&A」で確認)。
- Q. 任意後見契約は自分で作った書面でも大丈夫ですか?
- いいえ、任意後見契約は公正証書によって作成することが法律で義務付けられています(日本公証人連合会で確認)。本人の意思や判断能力をしっかり確認し、契約内容を法律に従った適切なものにするためです。公正証書で作成しておくことで、将来後見人が金融機関等で代理権を行使する際の手続きもスムーズになります。
成年後見制度について相談したい方へ
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